島流し

ヴェネ脱走後、南の孤島に島流しになった。
その島では火炎壷を集める作業をさせられる。
いくつ集めればいいのかはわからない。
ただ赦免の証として、所長から一冊の本を渡されるらしい。

途中、この島に流刑となるのが2度目の奴に会った。
彼はいい奴で、私の分の火炎壷集めまでやってくれた。
一緒に火炎壷1〜2個集めた頃だろうか？
突然彼は釈放された。きっと模範囚ってやつなのだろう。

彼は2冊目となる本を所長から受け取ると同時に、
私にその本を託して変わりに逃がそうとしてくれた。
また遠方から保釈金を積んで私をこの島から出そうとしてくれる人もいた。

だが私は断った。理由など言うまでもない事だ。

しかし私の心もしだいに荒んでいった。
いったい何故所長は私に本をくれないのだろうか？
例え呼び出されても本ではなく釣具を渡される。
確かに釣りは好きだが、今は5セットも必要ない。

そんな私も、収集作業に必要なタルワールという道具が3本折れかけ、
火炎壷を180個集めたあたりだろうか、ようやく赦免となった。
帰りに所長から本を一冊いただいた。
ただ、あまりにも過酷な囚人生活だったため、今は休みが必要らしい。
傷が癒えたら堅気の仕事でも見つけるか。
そうだな、、針を使って洋服を仕立てたりするのは得意なのだが。

彫静